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埼玉の建築スケッチMAP 青山恭之のブログ
作品集works
鹿島台の家

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<敷地環境から>

■ 鹿島台というのは、埼玉県庁の北西に広がる平坦な台地で、大正末から昭和初期に住宅地が開発されたエリアです。住宅地でありながら、ビジネス街的な都市性もあわせもっています。そんな環境での、5人家族の住宅です。要求された室数と面積を単純に合計しただけで、敷地いっぱいの総二階でも入りきりません。そこで、子ども部屋などの規模を最小限にし、寝台や収納はロフトなどで立体化させるなど、3次元の空間をせいいっぱい使い切ることで要求をクリアし、二階にルーフテラスを切り取ることができました。二階の主室の西側上部にロフトを設け、主室とロフトの上部には、東側道路からの斜線をかわす片流れの屋根をかけ、道路側の高さをギリギリ低く抑えました。

01

 <東面道路側のしつらえ>

■ 道路境界から、いきなり壁が二階まで立ち上がるのではなく、二階の壁面により一階の壁面を360ミリセットバックさせて、道路との関係に余裕を持たせました。その部分の外壁は黒い下見板貼りとし、人の目に近いところには柔らかい質感で対応しようという配慮です。この道路との間の「なぎさ」のようなスペースは、車や自転車の出入り、玄関、お母様の部屋の勝手口など、様々な出来事が発生します。

 

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<二階主室を北方向に見る>

■  左側、道路に面した東側の壁面には、テレビ台・本棚に加えて、家族が並んで座れるスタディースペースを用意しました。天井に直接照明器具をつけることを避け、東側棚上とロフト手摺にライン状の間接照明を入れて、天井面を照らしています。さらにワイアリングシステムで光を追加しました。

 

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<キッチンからルーフテラスへ>

■  二階、西北コーナーにあるキッチンから、東南コーナーに設けたルーフテラスまで、対角線上に視線が通ります。空間を広く見せる工夫です。

 

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<ルーフテラス>

■  高層化が進行しつつある環境において、二階のレベルで中庭的に切り取られたルーフテラスは、光や風通しを確保する上で重要です。

 

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<階の上下をつなぐ工夫>

■ なるべく上下階が分断されないように、玄関を入って正面上部の二階の廊下をスノコ床にしました。玄関まわりに光を落とすと同時に、玄関の気配が二階に伝わります。階段のケコミ板や洗面室上部の壁にポシカツインを使って、一階のトイレや洗面室に光を導く工夫もしました。

 

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<東西で切って北を見た、断面パース>

■ 構造 ; 東の道路側、一階のみがセットバックしている部分は、二階をボックス状の構造とし、上下の力を伝達しています。主室中央には150ミリ角の柱が立ち、その柱に支持された梁に小梁が渡顎のようにかかって、500ミリほどキャンティレバーでロフトの床を支えています。150角の柱は母屋まで達し、南北に法杖を渡して、壁のないこの通りを補強しています。

 

■ 設備 ; 冬、主室上部の暖められた空気を一階の床下まで送り、循環させるシステムを導入しました。夏は、逆回転させて、床下の冷えた空気を主室上部に送り上げます。 生活の中心である主室には、蓄熱式の床暖房を設けまし。深夜電力で蓄熱材に熱を蓄え、日中はそこから放熱させるというものです。

 

Photo ; Yasuyuki Aoyama

 

所在地/埼玉県さいたま市
構造/木造二階建て

施工/内田産業
竣工/2012年