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埼玉の建築スケッチMAP 青山恭之のブログ
エッセイessay
「うらわ建築塾」② SMFの活動

 前回(本誌、2014年12月号)書かせていただいたのは、浦和の街の成り立ちを踏まえ、立原道造のヒアシンスハウスを実現させた運動と、そこから発生した「うらわ建築塾」という活動についてだった。 そのなかで、「うらわアートマップ」についても紹介したが、これは、SMF(Saitama Muse Forum)の事業のひとつとして位置づけられるものだった。

 SMFとは何か。現在、ホームページ(http://www.artplatform.jp/)のトップで、「SMFは、既成のジャンルにとらわれない自由な視点からさまざまなアートプログラムを企画し、アートをめぐって多くの人がつながっていくためのプラットフォームです。SMFはさまざまな生き方をしてきた人が集い、触発し合いながら、まだ見たことも聴いたことも経験したこともないようなモノゴトを創りだすこと、これまで見えていなかったモノゴトが見えるようになること、これまでとモノゴトが違って見えるようになり、生きることが豊かになることを目指して活動します。SMFは埼玉県立近代美術館に事務局を置き、埼玉県内各地のミュージアムをキーステーションとし、美術、建築、音楽、文学、ダンス、パフォーマンス、地域活動など、さまざま領域のメンバーで活動し、そのための事業を企画立案し開催します。」と謳っている。

 もう少し具体的に説明すると、ヒアシンスハウスを実現させることを通じて、様々なジャンルの芸術を愛する人々の交流が生まれた。その背景には、「鎌倉文士と浦和絵描き」という歴史がある。その人々がともに活動する場をつくろうと、2006年に「さいたまアート懇話会」が立ちあがり、2008年にはSMFを名乗るようになった。埼玉県立近代美術館を中心に、入間市博物館アリット、うらわ美術館、川口アートギャラリー アトリア、川越市立美術館の県内5つのミュージアムが連携して、多ジャンルのメンバーの企画でアートの活動をする場がSMFだ。

 文化庁の助成を受け、その年度ごとの活動という形式でスタートしたが、現在は会員制で、会費の収入で継続した運営が行われ(現在正会員25名、フレンド会員5名、サポート会員4団体)、助成があれば、大きなプログラムを組むという体制になっている。うらわ建築塾のメンバーのうち3人が正会員となっていて、うらわ建築塾の活動とSMFが重なって動いているともいえよう。

 今年度は、衣・食・住とアートの関係を見直してみる3年計画の1年目で、「住」をテーマに様々なプログラムが企画され、「あなたと どこでも アート / 小さな家プロジェクトクト」として実行された。そのなかで特に建築に関連ずるプログラムとしては、「小さな家プロジェクト」と「旅する小さな家」がある。前者は、小さな家をキーワードに行った、アート散歩(県内の特徴的な小さな空間をめぐる)、アート寺子屋(建築家・写真家・美術家が小さな家について語り合う)、家を聴く・サウンドのワークショップ、子どもたちと小さな家をつくる複数のワークショップなどの総体。後者は、可動式の「小さな家」のデザインコンペを行い、公開審査を経て、最優秀作を実際に制作してヒアシンスハウスの前に建て、ダンズパフォーマンスとともに公開し、合わせてシンポジウムも開催したもの。今後、県内の他の場所での公開も、もくろまれている。建築がより高く、より大きくなる時代にあって、小さな空間と人間との関わりをジャンルを超えて再考できたと考えている。