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埼玉の建築スケッチMAP 青山恭之のブログ
コラムcolumn
楽風と我家をアートで繋ぐ

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 11月中旬から下旬にかけて、SMF(Saitama Muse Forum)のプロジェクトで、楽風の庭とさらに我家の中庭までアートで繋ぐ試みが行われました。昨年、「住」をテーマとしたSMFで、「旅する小さな家」と題して行われたデザインコンペティション。そこで一等になった作品を実際に制作し、昨年秋に別所沼のヒアシンスハウスの前で一日限りのお披露目をし、今年の夏に埼玉県立近代美術館の吹き抜けで二度目の旅をしてきました。三度目の旅の舞台となったのが、楽風の庭です。11月11日に搬入・設営が行われて、12日から24日までの約二週間、有機的な庭の風景のなかで、幾何学的な「小屋」が、存在を主張しました。下の写真は、七五三でにぎわう11月21日の、のどかな秋の庭です。

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 「旅する小さな家」の搬入・設営から、25日の搬出、最後は跡形もなくなった26日の風景まで、定点観測のように撮った画像を、スライドショーの動画として作ってみたものをYou-Tubeにアップしました(約2分半の動画です)。ほぼ二週間のうちに、木々の色が移ろって、季節の中を旅したようすが見ていただけると思います。途中から、「旅するキノコ」が加わります。カメラを固定していたわけではなく、手持ちで撮った画像を、パソコン上で重ねながら位置を決めて行ったので、完全な定点観測ではないのですが、様子はわかっていただけると思います。

You-Tubeへ

 

 「旅するキノコ」の搬入・設営は11月18日。作者の美術家井上唯さんが滋賀から来て下さり、スタッフの岡島さん滝沢さん、さらに美術館の中村さんと僕もお手伝いして、楽風と我家の中庭にあわせて150ほどのキノコが設置されました。キノコは、一つ一つ特殊な白い糸で編まれていて、LEDの電球がしこまれています。下の写真は、我家の北側外観。キノコはすでに光を放っているのですが、まだ明るさの中に埋もれています。

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 キノコは、複数の人の手で造られていて、それぞれに個性があります。我家の庭のキノコ50数個を、一つ一つ撮影しました。

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 そして、夜の風景です。道行く人たちが、なんだろうと足を止めて、見ていきます。声を上げて驚く、女子高生たちや子どもたち。この写真、傘をさしながら写真を撮っている人も、キノコに見えました。

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 これは、楽風の庭の夜です。左端には我家も写っていて、そのキノコの光も見えます。

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 楽風と我家の間には道路が通っていますが、それを乗り越えて、アートが繋がっています。この「通り庭形式」を発想した時には、ここが三世帯共有の空間ということに加え、都市的なものが流れ込んでくることを意図していたので、今回、その具体例が示せたのではと思っています。

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 そして、「通り庭」の奥から、楽風の方向(北)を見たのが、最初の夜景の写真です。両側のガラスにキノコが写りこんで、数が倍増する効果をあげています。キノコがあったのは一週間だったのですが、あのころはそれが当たり前のように、日常になっていました。いざそれが無くなってみると寂しいもので、あのころが夢の中にいたような、不思議な感情の波のようなものを経験しました。(写真・スケッチ・文;青山恭之)